男性不妊最新ニュース
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バイアグラをのむと子供ができなくなる!?
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子作りのプレッシャーのせいか、ここぞという日に限って元気が出ない「排卵日ED」の男性は少なくありません。そういう方にはバイアグラなどのED治療薬(PDE5阻害薬)がとても有効ですが、「バイアグラの服用は妊娠をさまたげる?」という記事を読んで、心配する声がありましたので、今回はこの話題を取り上げてみます。

この話題はFertility and Sterility という学術雑誌の昨年5月号に掲載された論文がもとになっており(Fertil Steril 2007;87:1064)、英国の研究者たちがシルデナフィル(バイアグラ)を混ぜた液のなかに精子を入れると、精子の動きは活発になるものの先体反応を起こす精子が増えることを明らかにしたと報じています。
先体は精子頭部の一番先端のところで、精子は卵子に到達すると先体内に貯蔵された酵素を放出します。これを先体反応といい、先体反応により放出された酵素が卵子を包む膜を融解することで、精子は卵子の膜を通過し、卵子と融合することができるのです。卵子に到達する前に先体反応を起こしてしまうと、卵子の膜を融解する酵素がなくなり、その精子は受精能力を失いますから、バイアグラは精子の動きを良くするものの、受精能力のない精子を増加させるということになります。
この論文を読んで直ちにバイアグラの服用を止めるのは馬鹿げています。この研究は試験管の中の精子の話で、われわれがバイアグラを服用することによる精子の変化ではありませんし、卵子に到達する前に先体反応を起こしてしまう精子が増えるといっても全体の10%くらいであったものがバイアグラにより20%に増えるという程度で、この違いがどれくらい妊娠率に影響するのかはまったく不明です。むしろ精子の動きが良くなることに注目すれば、1月の最新ニュースでも取り上げたように、精子の動きが悪い場合(精子無力症)にはバイアグラが有効な治療薬になるかもしれません。
米国泌尿器科学会の学術雑誌の先月号にはレビトラやバイアグラを6ヵ月間毎日(!)服用しても精液検査や性ホルモンに変化はみられないとする論文が掲載されています(J Urol 2008;179:1060)。EDで性交渉がうまくいかなければ月に1回のチャンスをみすみす棒に振ってしまうことになります。仮にED治療薬に多少なりとも妊娠率を下げる作用があったとしても、妊娠率が0になるとは思えません。今晩はちょっと自信がないかなというときには、無用な心配をせずにED治療薬の助けを借りてください。
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包茎手術でエイズ予防!?
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人類に深刻な被害をもたらし、いまだに感染が拡大しているエイズの対策に包茎手術が有効かもしれないという話題です。 2005年と2007年のアフリカでの研究で(計1万人以上の男性が対象になっています)、 HIVに感染していない(HIV陰性)男性がHIVに感染している(HIV陽性)女性と性交渉した場合の感染リスクは包茎手術を受けると50%から60%に低下することが分かりました(AUA=米国泌尿器科学会 News 2008年1月号)。

一方、HIV陽性の男性とHIV陰性の女性のカップル161組を追跡調査した結果をみると、包茎手術を受けなかった68組では最初の6ヵ月間で17.8%の女性がHIVに感染しましたが、男性が包茎手術を受けた93組でも27.3%の女性がHIVに感染しました。つまり、HIV陽性の男性が包茎手術を受けてもパートナーの女性がHIVに感染するリスクは減らないということになります。
世界的にみれば包茎手術でエイズの感染拡大に多少なりとも歯止めがかけられるかもしれませんが、女性は相手の男性が包茎手術を受けていても、いなくてもHIVに感染する危険性は変わらないようです。女性も男性も平等ですが、性行為感染症については女性は弱い立場と思われます。多数の男性との性的接触を避け、コンドームの使用を徹底して身を守らないといけないですね。
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アメリカでも4,000万人がセックスレス!
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アメリカのテレビで紹介されたセックスレスな夫婦の話題です。
<クリックで番組を視聴できます>

1年間に10回以下しか性交渉がない場合をセックスレスと定義しますが、そうすると約4,000万人のアメリカ人がセックスレスな結婚生活をおくっていると推定されるそうです。セックスレスのご夫婦では、奥様かご主人に医学的問題があることがしばしばで、ベイラー大学泌尿器科のKhera医師が40歳から70歳の男性の52%、女性の43%がなんらかの性機能障害をもっていると説明しています。これらの障害を持つ人たちの多くは治療を受けません。しかし、治療を受けて状況が変化(改善?)することにより、セックスレスよりさらに夫婦関係が悪化することがあるそうです。そこで、この番組ではセックスレスはカップルの問題なので、治療は二人同時に受けるべきとすすめています。
この放送では奥さんが自分の手首にテストステロン(男性ホルモン)クリームを塗っているシーンが出てきます(女性でもごく少量のテストステロン補充により、性に対する意欲の復活が期待されます)。豊かなセックスライフは、お二人の気持ちにずれがあると叶えられません。日本でもこういうご夫婦が増えるといいですねぇ。
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ED治療薬で精子の動きに変化が!?
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子作りのプレッシャーから勃起障害(ED)となり、排卵日にはED治療薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス)を服用しているという方も少なくないと思います。最近、ED治療薬であるPDE5阻害薬の造精機能や精子への作用が注目されつつありますが、今回ご紹介するのは男性不妊症患者さんの精子運動への影響をみた論文です(Fertil Steril 2007; 88: 860)。
40歳以下の男性不妊症患者さん(EDはありません)18人に、薬をのんでいないとき、バイアグラ(50mg)を服用して1時間後、シアリス(20mg)を服用して2時間後に精液を採取してもらい、それぞれの精液所見を比較しています。興味深いことに、何も服用しない状態での精子運動率が28.5%であるのに対し、バイアグラを服用した後は37.0%と改善し、シアリスを服用すると21.5%と悪化しました。
今回の比較結果については、調べた患者さんの人数も少なく、そのままを信じて直ちにシアリスをバイアグラに変えたほうがいいというものではありません。しかし、同じPDE5阻害薬でもそれぞれ微妙に作用は違いますから、今後さらに研究が進めば、不妊患者さんにより適したED治療薬というものがでてくるかもしれませんね。
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今すぐ禁煙を!
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喫煙は万病のもとですが、男性不妊症やEDにも非常に悪い影響があります。禁煙によりEDが改善することはすでに証明されていますが、今回ご紹介するのはタバコをやめた翌日には陰茎の血液循環が改善しているという論文です(Urology 2007; 69: 163)。
ヘビースモーカー(20〜40本/日)のED患者さん20人に、プロスタグランジンE1を海綿体内に投与して、超音波カラードプラ法で陰茎血流を測定しています。収縮期最高血流速度(PSV)と拡張期最低血流速度(EDV)は血液の循環を表わす指標ですが、タバコを吸っているときはPSVが正常なのは20人中10人(50%)だけ、EDVが正常なのは20人中5人(25%)だけでした。ところが、禁煙して24時間から36時間たつとPSVは20人全員が、EDVは17人(85%)が正常域に入っていました。
禁煙してたった24〜36時間でも陰茎血流は改善することが分かりました。長年吸ってきたタバコ、今さら禁煙してもすぐには効果ないさと言ってきたあなた、禁煙しない言い訳がまた一つ減りましたよ。
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熱いお風呂は今日からやめましょう
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熱が精子を作る働きに悪影響を及ぼすことは良く知られていますが(最近では膝の上に置いたノートパソコンからの熱が注目されましたね)、今回は熱いお風呂に入るのを止めると精液所見が改善するかをみた研究を紹介します(Int Braz J Urol 2007; 33: 50)。
男性不妊症の患者さんのなかから、(1)体温以上に熱い風呂に、(2)週30分以上、(3)3ヵ月以上、入っているという条件を満たした方を探したところ、11名の男性が見つかりました。熱い風呂に入るのを止めてもらったところ、総運動精子数(精液量x精子濃度x運動率)が2倍以上に改善した人は5名(45%)だったそうです。この5名では、総運動精子数は熱いお風呂に入っていたころの4.9倍に増えましたが、それは精子数が増加したことより、精子運動率が上昇したことによるものでした。
この研究は観察期間が3ヵ月と短かったり、調べた人数が少なかったりと問題がないわけではありませんが、熱いお風呂に入るのを止めるだけで、短期間に精液所見が改善する可能性を示しています。さらに、精液所見が改善した人としなかった人の違いをみてみると、改善した5名のなかにはたまにタバコを吸うことがあるという人が3名いただけなのに、改善しなかった6名のうちの5名はヘビースモーカーだったそうです。熱いお風呂と一緒に喫煙も止めないといけませんね。どちらも今すぐ出来て、お金もかかりません。早速、今日からやってみてはいかがでしょうか。
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禁欲は3日以内に!
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先日、「排卵日に合わせてぐぅーと溜めてガンバっています」というご夫妻が受診に来られました。まだそんなことを信じているのかとびっくりしたので、今回はどれぐらいの禁欲期間が妊娠しやすいのかの話題です。
Fertility and Sterilityという学術雑誌に2005年に掲載された論文(2005; 84:678)ですが、 417カップルの929回の人工授精について(1)禁欲3日間以下、(2)禁欲4日から10日、(3)禁欲10日以上の3つのグループに分けて精液所見と妊娠率を比較しています。その結果は、禁欲日数が長くなると精子の数は増えるものの、動きが悪くなり、妊娠率は(1)禁欲3日間以下のグループでは14%、(2)禁欲4日から10日では10%、(3)禁欲10日以上になると3%でした。さらに詳細にみてみると、禁欲1日以下が妊娠率19%と最も高く、反対に14日以上の禁欲で妊娠した例は1例もありませんでした。
この論文では人工授精の妊娠率の比較をしていますが、結果は自然妊娠にもあてはまると考えられます。妊娠を望まれるときは禁欲期間は3日以内にされるのが良いでしょう。
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